リハビリにおけるハンドリング(handling)とは
セラピーにおける"handling(ハンドリング)"について、まとめました。
一部個人的な意見も含んでいますが、20年以上の臨床経験からまとめたものです。ぜひお読みください。
Handlingの意味
辞書でこの用語を調べると、”操作、手で扱うこと”が一番近い意味のようです。車や機械の操作をハンドリングというのでこの意味なのかと思います。
セラピストは対象者を一方的に取り扱うわけではありませんので、これだけでは不十分です。
セラピストの行うハンドリングは対象者の示す現象に対応して、操作・誘導しています。次のタッチの仕方やタイミングを決めています。
つまりセラピストが感じ取ったクライアントの動きや誘導に対する抵抗・依存などを考慮したそうさで、クライアントとの間の相互作用で決定されます。
ハンドリングには当然ながらうまい、下手があります。
経験や知識、技術によってハンドリングは変わります。
セラピストは常に知識・技術を研鑽し続けなければならないわけです。
熟練者のハンドリングはどの様なことをしているのでしょうか?
結論から言うと、対象者の動きを誘導していますが、先述の通り一方的・他動的ではありません
対象者の動きをより効率の良いものにするために適切な運動をガイドする必要があります。
運動の方向を伝える方法は、言葉ではありません。
対象者の体性感覚(筋・腱などの固有受容感覚と皮膚からの感覚)情報によって運動の方向性やタイミングを伝えています。
セラピストは対象者の動きを感じ取りながら操作し、これがリハビリにおけるハンドリングだとおもいます。このハンドリングは単なる誘導ではなく、機能や活動を促すために活用されるべきセラピースキルだといえます。
対象者の動き方に合わせてハンドリングすることが必要なのです。
以前触らせていただいた熟練者(経験40年以上のキャリアを持つ臨床家)の手は肉厚で、触られたときに手が吸い付くような感触でした。
おそらくですが、熟練者のハンドリングは触られていて心地よいものだと思います。
まとめ
一方的に操作する・誘導することはハンドリングとしては不十分だと思います。
対象者の動きを感じ取り解釈して動きを促通する(動作の効率性を高める)ことも含んでいます。
少しでもスキルアップして、利用者の問題解決になるように日々研鑽を続けましょう。