不随意運動の定義と種類・リハビリについてのまとめ
不随意運動というとどのようなものを思い浮かべるでしょう?パーキンソン病の振戦や、アルコール依存症の方が示す振戦のようなものを想像される方が多いでしょうか?
不随意運動には上にあげたような部位限局的なものだけでなく、全身に及ぶものもあり、不随意的に動く振幅や、運動方向など様々な分類があります。
例えば、関節運動を伴う物であれば振戦、伴わないものであれば線維束性収縮があり、自発的に生ずる口蓋ミオクローヌスや随意的な筋活動にともなって生じる企図振戦などがあります。
この記事では、不随意運動について症候学機的視点から分類しそれぞれの特徴を簡単にまとめています。各不随意運動については別途詳細にまとめる予定です。
パーキンソン病のリハビリについては下の記事にまとめています。
不随意運動とは
定義
不随意運動 Involuntary Movementは「本人の意思とは無関係の、本来生ずるべきでない筋収縮」(2005, 平山恵造)とされています。
分類
- 繊維束性収縮 fasciculation
- ミオキミー myokymia
- 攣縮(スパズム) spasm
- 有痛性連祝(クランプ) cramp
- チック tic
- 舞踏運動 chorea
- バリズム ballism
- 舞踏アテトーゼ choreoathetosis
- アテトーゼ athetosis
- ジスキネジー dyskinesia
- 振戦と運動過多 tremor and hyperkinesia
- ミオクローヌス myoclonus
- 痙攣 convulsion
- 連合運動 synkinesia
上記の分類は臨床的視点からの分けられており、歴史的に報告されてきた不随意運動の分類とは異なります。
しかし不随意運動の分類は臨床的にも重複したり、分類困難であることなどもありそれぞれの不随意運動の特徴をつかむことが重要と考えられます。
不随意運動には上にあげたような部位限局的なものだけでなく、全身に及ぶものもあり、不随意的に動く振幅や、運動方向など様々な分類があります。
例えば、関節運動を伴う物であれば振戦、伴わないものであれば線維束性収縮があり、自発的に生ずる口蓋ミオクローヌスや随意的な筋活動にともなって生じる企図振戦などがあります。
この記事では、不随意運動について症候学機的視点から分類しそれぞれの特徴を簡単にまとめています。各不随意運動については別途詳細にまとめる予定です。
これらの現象は時々刻々と変化することから臨床家を悩ませていますが、文章や写真では伝えたり表現することが困難なものも多く、実際にその場で観察することが分類するうえでの観察眼を養うことになるといえます。
一部表面筋電図や録画した動画などはこれらの補助になりますが、いずれも全体を網羅しておらず断片的な情報といえるでしょう。
不随意運動とリハビリ
臨床的に分類された上記の不随意運動はそれぞれ床上だけでなくそれの起因となる障害部位の推察にも役立ってきました。
今日では画像診断などの進歩により症状みずとも目に見えることのなかった神経の障害がわかるようになってきました。
不随意運動の種類と障害部位の関連を知っておくことが、リハビリを行う上で重要です。
私の臨床経験上例をあげると、dyskinesisのみられる患者はpostural stabilityを促すことが良かったり、myoclonusが見られる方には局所的な筋の伸張が急速に怒らないよう動作の指導をすることで改善が見られたりといった関連性があるようです。
不随意運動の原因となる障害起因部位脳幹や基底核の役割を正しく理解することに加え、動作や姿勢を良く観察し臨床的側面から考察することが糸口になると考えています。