脳卒中はどんな病気? 簡単・わかりやすく解説
脳出血、脳梗塞、脳溢血(いっけつ)、くも膜下出血・・何が違うのかよくわからない。
そんな方に、脳卒中の分類などを簡単にまとめました。
脳卒中とは
脳の血管が詰まったり、破れたりする結果脳の神経細胞へ血液が届かなくなり神経が障害される病気です。
脳梗塞
脳卒中の半分以上を占める病気のタイプになります。脳への血管内が詰まる(梗塞)ことにより血液の供給ができなくなる病気です。食生活の欧米化により動脈硬化などコレステロールの問題による脳梗塞の割合が増えたといわれています。「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓」の3つの病型に分けられます。
心原性脳塞栓症は、不整脈など心臓由来の病気です。不整脈でできた血の塊などが流れて脳の血管を塞いだ結果起こる脳梗塞(脳塞栓症)です。
ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞は大小の血管の内側にできたコレステロールの壁などの血栓によって血流が途絶える脳梗塞(脳血栓症)です。
脳出血
脳内の血管が破れることによって脳内に出血する病気です。原因として高血圧や血管の脆弱性(モヤモヤ病など血管の奇形などによる弱さ)などが原因です。戦後日本国内の脳卒中では多くの方が脳出血でしたが、脳卒中のなかでの割合は減ってきています。
くも膜下出血
脳表面の脳動脈にできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)が破れることによっておこります。脳の表面にある薄いくも膜という膜の内側に出血します。脳卒中の中では死亡率が高い重症な病態です。
一過性脳虚血発作
脳梗塞と同様の経過で一時的に脳への血流が遮断された状態で24時間以内に症状が消失する状態をいいます。幸いにして症状が改善しますが、血管内の状態を考えると再発の予防が重要になります。
脳卒中の症状
脳は場所ごとに役割分担をしています。
どの場所で障害が起こるかによって運動麻痺、感覚障害、意識障害、言語障害(理解や表出)など様々な症状が出現します。
特に発病当初は、頭痛、めまい、吐き気、意識障害、半身まひなどが出現することがあります。
高次脳機能障害といって、ヒトならではの文化的生活をするための計算・空間認識・言語コミュニケーションなど外見上わかりにくい障害が起こることもあります。
脳卒中を疑う症状が見られたら迷わず119番しましょう。
脳卒中の検査・治療
脳卒中を疑われる状態で病院へ行くと、CT、MRIでの検査が行われ病状を確認します。
一部脳梗塞を再度開通させるための治療(t-PA、血管内手術など)は発病から病院へ到着するまでの時間によって不適応となることがありますので、早く病院に行くべきです。
その後、血圧や症状を安定させるため点滴などの治療が行われることが多いと思います。
病態が安定した後リハビリが始まります。通常数日から1週間程度で開始になります。
脳卒中の危険因子
脳卒中になりやすい方は以下のような要因がありますので、発病前に改善に取り組むことが進められます。
高血圧 : 血圧が140/90mmHg以上の方は高血圧です。
糖尿病 : 食生活の管理や体重のコントロール、運動習慣を心がけましょう。
脂質異常症 : コレステロールなどの異常のことです。
心疾患 : 不整脈や心内膜炎など血栓ができやすい病気は注意が必要です。
喫煙 : ニコチンは血圧上昇、動脈硬化を促進しますので禁煙外来へ。
まとめ
脳卒中という病気の概要についてまとめました。
脳卒中とまとめられている中にも原因や状態が異なるものがありますので、病気について把握しておくことは大切です。
なお、お抱えの病気についての詳細は担当医師にお尋ねください。
脳卒中のリハビリについては以下の記事にすべてまとめていますのでご覧ください。