中枢神経障害における問題点の考え方
脳卒中やパーキンソン病など中枢神経疾患はその障害部位に応じた種々の障害像を示します。
例えばMCA領域の広範な梗塞では、運動麻痺、感覚障害に加え、意識障害が高確率で出現し、時に高次脳機能障害をもたらすこともあります。
さて、ここでリハビリに取り組もうとした場合どのようなことに取り組めばよいでしょう?
どの症例にも同じ様に、練習というのはいただけません。
この記事では、中枢神経諸具合おける問題点の考え方を解説しています。
中枢神経障害における問題点の概要
- Sensory
- Perception
- Cognition
- Emotion
- Motor
- Biomechanics
単に、障害部位から問題点を選ぶのではなく現象から評価して問題点の関連を紐解いていくことが重要と考えます。
例えば”動けない(動かない)”ということを全てMotorの問題と考えるのではなくその根源はどこにあるのかを評価する必要があります。時に怖さから動けない(Emotion)、どう動き方がわからあい(Cognition)などの問題から動けない方もいらっしゃいます。
もちろん皮質脊髄路の問題があるかないかでMotorの問題と決めるのではありません。
感覚ー運動の情報処理過程から評価をして見つけで出すことが重要です。
感覚ー運動連関
下の図は機能的活動に必要な感覚ー運動の連関を示したものとそれに影響する因子を書いたものです。
ここにあげた項目は私が患者さんの行動(時に障害像)を解釈するために勉強した項目の抜粋です。
全てを網羅してはいませんが、学習するべき内容があるかもしれません。
問題点の抽出
以上の関連性の中から問題を見つけ出していくプロセスもまさにリハビリの重要なプロセスかと考えています。
問題点の抽出には鋭い洞察力(いわゆる動作分析能力)や知識、時に判定する技術を必要とします。この過程はセラピストが問題点を評価する特有の技能と考えてよいでしょう。
問題点の抽出ができたら解決のための手法を選ぶわけですが、この手法は今日のテクノロジーや医学の進歩により多くの広がりを持つことができています。
徒手的な手技だけでなく、ロボティクス、薬物療法など様々な側面から機能改善へのアプローチが考えられると思います。
まとめ
問題点の抽出そのものがリハビリの入り口となっています。
問題点に対する評価プロセスがおざなりになっていると、どんなに素晴らしい手法を持ち合わせていてもうまく活用できません。
ニューロリハビリの基礎知識についてはこちらにまとめがありますので合わせてご覧ください。