脳卒中後の職場復帰の時までに考えておくべき3つのこと
脳卒中後よくご相談いただく内容が、仕事に戻れるかというものです。
この記事では、仕事・職場への復帰に必要なことをまとめて説明しています。
復職に向けての準備なども書いてありますので是非お読みください。
なお、発病から自宅での生活までの流れは以下の記事にまとまっていますので「脳卒中発病から社会復帰まで」も合わせてお読みください。
元の仕事をできるか?
最大の関心事は、以前の職務を全うできるかということだと思います。
これは、後遺症の程度と仕事内容によって変わると思います。
歯科医で利き手側の片麻痺があったクライアントがいらっしゃいましたが、復職しています。元通りになったわけではなく、一部勤務先の人の力を借りたり、仕事に時間がかかったりということはあるようです。
それでも元の仕事に戻れるということはとてもうれしいことだと思いますし、回復への希望にもつながると思います。
特にこのお話のように高いスキルを求められる仕事の場合、仕事そのものができるかどうかということが一つ問題になります。
このクライアントがもし人前で話すことを仕事とされているのであれば、仕事のスキルと現在の後遺症の状況からするとより仕事へ戻りやすかったかもしれません。
通勤はどうする?
東京では公共交通機関を利用して通勤されている方がほとんどかと思います。
電車やバスまたはそれらの起点まで歩くということになると思います。
都心まで電車に乗り換えて通勤していた片麻痺の方がいらっしゃいました。通常は満員電車を乗り継いで1時間ほどかけて通っていたとのことですが、病気をされてからはバスで駅まで行きその駅始発の電車を待って座って通勤されていました。
これはまれな例だと思いますが、通勤についてあまり心配がいらないという方もいらっしゃいました。
もともと会社を経営されていて運転手を雇っており、都心まで1時間半ほどの車通勤の方でした。お酒を召し上がって帰ることが多かったため。何十年もまえから運転手を雇い通勤していたとのことです。
また、こんな方もいらっしゃいました。
在宅で株取引や、賃貸物件所有者(アパート賃貸)の方で、通勤が不要という方もいました。
こんにちではテレワークが浸透し通勤が不要になった方も多いのかもしれません。
体力は大丈夫か?
意外と苦労するのが体力です。
復職をされても1、2か月は通勤や、仕事のペースに体がついていかずに疲労がたまる方が多いと思います。
筋力や持久力などフィジカル(身体的)な疲労はもちろんですが、決まった時間の間その場に身を置いておかなければならないメンタル(心理的)な疲労もあると思います。
私のところに来られている方で復職される方には、
「1週間リハビリのことは忘れて、体を慣らしてください。」
と伝えています。
体力は慣れと共についてきますから、少しずつ改善すると思います。
途中でドロップアウトしてしまうと、また振り出しになってしまいますので慎重な復職の段取りが必要になります。
最初の1週間は休みの延長(無給)で半日だけ慣らし通勤をした。時差出勤(ラッシュアワー前)の出社に調整してもらった。
という方もいました。
また、休職中に仕事のリズムに合わせて生活リズムを正しておくことも重要です。
- 朝起きるのがつらい
- 日中眠い
などにならないように準備しておきましょう。
まとめ
復職に向けて準備することは仕事ができるかどうかだけではありません。
職場の人事担当の方と復職に向けて相談し準備をしていくことが大切です。
また、通勤、仕事で要求される身体機能もできれば不安ないように改善しておきたいところです。